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2012年 12月 15日
奈良で育ったというのに、西大寺に詣ったことがなかった。晩秋の奈良への帰省の折、西大寺の駅に降り立った。駅から目と鼻の先にある西大寺の本堂へ。そこにしずかに佇む文殊菩薩騎獅子像と四侍者像にはじめて会った。 獅子に乗った文殊菩薩、ぐるりに従う優填王、最勝老人、仏陀波利三蔵、そして善財童子の4人の従者像。わけても、うるうると濡れたような眼をした善財童子のお姿がことのほか可愛らしい。 像の前に灰谷健次郎著『兎の眼』の文庫版がひらかれていて、善財童子像の描写のくだりが紹介されていた。 大学でたての小学校教師、小谷先生が子供のもんだいに疲れをおぼえ、大阪の鶴橋から近鉄に乗って西大寺の善財童子に会いに来る。 『「こんにちは……と小谷先生は呼びかけた」 「ちゃんとまっていてくれましたね」 小谷先生はほほえんだ。 あいかわらず善財童子は美しい眼をしていた。ひとの眼というより、兎の眼だった。それはいのりをこめたように、ものを思うかのように、静かな光をたたえてやさしかった。』 寺に隣接する幼稚園から、子供らのはしゃぎ声が響いている。 紅葉の葉っぱひとつひとつが、お日様の光を透かしてちいさい掌をいっぱいにひらいている。 奈良の実家の本置場で、子供のころに読んだ『兎の眼』をみつけた。ページの間にお菓子の屑がはさまって、なんとも汚い本だけれど、なつかしくうれしい。読書週間の気分にもどっていっきに読んだ。品格のある文章がこころに染みわたった。 子供は親や大人のあやまちをゆるすことを生れながらに知っているという、それほど慈悲深い存在だと、どこかで読んだことがある。善財童子のように、動物や赤ん坊、子供の眼があんなにもうつくしいわけが腑におちた。 *『』内は「兎の眼」灰谷健次郎著/理論社より *松岡芽ぶき作品サイト bud's eye
by cafe_mearium
| 2012-12-15 22:49
| 奈良・飛鳥
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